大腸内視鏡検査とは、肛門より直接内視鏡を挿入して大腸内を直接観察し、大腸の炎症性の病気(腸のただれ、傷)・大腸ポリープ・大腸癌などを診断する検査です。
大腸の検査について患者さんは以前に受けられた方より痛くて辛い検査だとお聞きした方もあると思います。
院長は十分な治療経験を持っています。
上手な医師が行えば痛くなく(お腹が張る感じは出ます。観察の時に空気を入れるからです。)また確りとした検査ができる可能性も多いです。
また不安が強い方や以前の検査で辛い思いをされた方は麻酔を使用して検査をすることもできます。
意識下鎮静法と呼ばれるものです。全身麻酔とは違います。
麻酔を使う場合には車で来院するのは帰りが危険です。
家人に送迎をしてもらってください。
大腸検査は高齢の方や基礎疾患により当院ではなく病院での検査をお勧めする事もあります。安全に検査、処置をする観点からです。ご了承ください。
平原内科消化器科での大腸カメラ・大腸内視鏡検査の流れについて説明します。
初めに院長から検査内容の説明とポリープがあった時にどうするか。麻酔を使うかの相談と検査、処置の危険性等の説明があります。
その後看護師から検査の流れや食事等の注意事項のがあります。
また麻酔をするかどうかはご希望によります。
麻酔についての危険性や車の運転が当日できない等について説明をします。
大腸内視鏡検査は検査が3割負担の方で6000円前後。
組織検査を行うと4010円追加になります。
ポリープの切除を行った場合には25000円前後になります。
ポリープ切除は内視鏡手術になります。個人で入っている医療保険からは保険金が出る場合が多いので保険屋さんと相談してください。
平原内科消化器科の検査で動画と違うところです。
薬については血圧の薬については平原内科消化器科では原則飲んだまま行います。血栓を防ぐ薬については事前に相談の上決めます。
すべての人に鎮静剤は使いません。鎮静剤を使用していないかたは体調に問題がなければ車でのご帰宅は可能ですが検査は疲れるものです。送り迎えをしてもらえたほうが賢明ですよ。
検査当日に内服していただく腸管洗浄のお薬の説明も一緒にします。
腸管内洗浄とは、大腸の中に食物の残渣(便)が残っていると検査の妨げになり、正確な診断が得られないため内服していただくお薬のことです。
腸内洗浄のお薬について当院ではいくつか準備してあります。どれがいいか相談して選びましょう。
① 2リットルの液体・・・ポカリスエットのような香りがしてお口の中に入れるとしょっぱい感じの液体です。
②1.0リットルの液体 もあります。
モビプレップというもので梅の味です。 排便に途中から勢いがついてくる感じです。
③錠剤での前処置。ビジクリア
2リットルの水分(ミネラルウオーター、緑茶、麦茶、ウーロン茶など)をご自身で準備していただき、15分の間に5錠を200mlの水分で内服。それを10回繰り返し、2時間半かけて飲んでいただきます。
以前、大腸内視鏡検査の時、液体がうまく内服できなかった方は錠剤をお勧めします。 錠剤は40錠から50錠服用する必要がありますが意外と楽です。
④最近でできた薬でピコレップという前処置があります。
まだ当院でも使い始めたばかりです。年齢が若くて排便状態の良い方に使っています。やや使い方と管理が難しいかなと思います。
大腸内視鏡検査でポリープがあった場合
ポリープ切除が必要と判断された場合・・「日を改めて・・」というともう一度下剤や腸内洗浄のお薬を飲んでいただかなければなりません。まだポリープがあるか分かりませんが予め説明をお聞き下さい。
ポリープ切除時・・ポリープにスネアをかける→電気メスで切除→回収(病変を詳しく調べて診断するため)→金属のクリップで傷口縫合します。
電流を使わずにポリープを切除する方法(コールドポリペクトミー)の方法をとる場合もあります。最適の方法を選びます。
実際に平原内科消化器科で大腸ポリープの切除について写真でお示しします。有茎性ポリープと平坦型腫瘍です。
有茎性ポリープの切除です。患者さんは院長の小中学校の同級生です。処置後に写真を使わせて頂くことをお願いしました。
S状結腸にポリープを認めます。大きなポリープです。
ガンの合併がないか。深いところまで浸潤していないか。
安全に切除できるかどうか。
院長はいままでの経験から最適な判断、処置をするように心がけます。
大きな頭を持つ有茎性ポリープです。
茎があるポリープは出血するリスクが高いので慎重に切除をします。
茎の部分に予め血が出ないように処置をします。
金属のクリップで茎の根本を締め上げます。
両側から行うのがコツです。
ポリープの色を見て判断します。
茎が血液が止まった色を確認します。
電気メスで締めながら切除をします。
切除終了。
切除面に血がわずかに流れているのが茎のなかにある血管です。
ここに処置を加えて終了となります。
ネットを用いて回収します。
切除したポリープを回収します。
切除して終わりでなくきちんとした組織的判断がつくようにします。治ったかどうか。病理医に注文をつけて院長として満足いく報告書がもらえるように。時々はもめます。これも院長の仕事のうちです。
病理の報告書が院長の満足できる程度にならない時は恵愛堂病院の病理医、伊藤先生に標本を持参して相談します。
標本のプレパラートをみて先生から意見をいただいて治療を評価します。完全な治療になったか不完全の治療なのか。
内視鏡で切除しても外科的にお腹を切って治療したときと同じ治療効果が得られるか。完治できるのか。その評価を行います。
院長はまだ先は長い若造?です。学ぶことはたくさんあります。
平坦型のポリープ切除です。
直腸に20㎜以上の平坦型のポリープを認めます。明瞭な結節を認め一括で切除することが理想です。ガンの成分が含まれることが多いためです。
表面の構造をNBI観察を用いておこないます。腺腫と判断切除することにします。
粘膜切除法でポリープを取ります。ポリープの下側に液体を内視鏡的に注入。青色の色素を入れて見やすくしています。
粘膜切除が予定通りに終了しました。病変を含めて粘膜が切り落とされます。
切除は終了。標本をこれから整理します。虫ピンで台に貼ります。どの方向から顕微鏡の標本を作って欲しいかを指示します。完全な切除になったかどうか。病理医任せにせず口を出します。
切り口をこのように止血クリップを用いて縫います。この金属は自然と外れます。出血予防と穿孔の予防です。
ポリープの中に一部癌を認めましたが完全切除に成功しました。大切なことですが内視鏡で切除しても外科手術と同じだけ完全な切除が得られた事を確認します。